ソフィアの話から、自分の知らなかった父のことを知るアシリパ。
様々な思いを抱きながらアシリパは改めて父との思い出を振り返ります。
ウイルクという人間を通して、物語も徐々に核心に迫っていきます。
前回までのゴールデンカムイのあらすじとネタバレ、感想はこちらです。
この記事では 2018 年12月13日発売の週刊ヤングジャンプ「ゴールデンカムイ」の最新話 第183話「狼に追いつく」 のあらすじとネタバレ、感想や 184話の考察をご紹介しています。
ゴールデンカムイ最新話183話「狼に追いつく」のあらすじとネタバレ!
ソフィアから自分の知らない父の話を聞いていく中で、アシリパは自分の知っている父のこと、そして自分だけが知る父の言葉を思い出します。
それは徐々に金塊の刺青暗号と繋がっていく!!
弱い者は喰われる
ソフィアの話を聞き、自身でも父ウイルクとのことを思い出すアシリパ。
ウイルクとの狩りの思い出を振り返っています。
羆の親子を見つけて狙っている場面ですが、アシリパは子熊まで倒してしまうことを躊躇います。
風習とはいえコタンで子熊を送ることもツラく感じているアシリパですから、狩るなんて余計嫌でしょう。
育てるにはもう大きすぎるとアシリパをなだめるウイルクは、彼ら親子は「私たちの血と肉になって、私たちの生命に置き換わる」のだと言います。
子熊でも貴重な食料。
残酷だと迷えば自分たちが飢えてしまいます。
「間違った情けや優しさは弱さになる。弱いものは負けて喰われる。」とウイルク。
全部アシリパが杉元に言っていた言葉ですよね。こうしてウイルクに色々教わって、アシリパの中に蓄積されてきたんだなあと思って感慨深くなっちゃいますね。
ウイルクの強さ
「見ろアシリパ」とキロランケに声をかけられ、父とのことを思い出し少し涙ぐんでいるようなアシリパは顔を上げます。
視線の先にはオオカミの群れ。
オオカミを見てソフィアが、ウイルクはオオカミが好きだったと言います。「純粋で美しい」とのこと。
「彼のこんな話がある」とソフィアが再びウイルクについて語り始めます。
ソフィアがウイルクやキロランケを始めとする仲間たちと、秘密警察に追われ山の中に逃げ込んだ時の話です。
仲間のひとりが重傷で意識を失ってしまい、追っ手はそこまで来ているのに立ち止まらざるを得なくなりました。
彼の呻き声が聞こえそうなほど追っ手が迫ってきた時、ウイルクが静かに彼の首をナイフで刺しました。
仲間が仲間を刺し驚くソフィアたちですが、どちらにせよもう彼は助かりそうになかったし、そのウイルクの判断でやり過ごすことが出来たと言います。
それはソフィアたちでも選び得た選択。ですが恐らく、ぐるぐる悩み抜いた末にたどり着く最後の答えです。
しかしウイルクは「その答えまでに最短距離で動ける人だった」と語るソフィア。
キロランケも「そんなウイルクを心から信頼し、愛していたよ」と言いますが…怖い顔。
先ほどの狩りのような場面だけでなく、この頃のウイルクには〝迷わない強さ〟がすでに備わっていたんですね。
オオカミの機能美
ふとソフィアが「ウイルクの名前の由来を知っているか」と切り出します。
聞いたことがないキロランケと思い出せない様子のアシリパに、ソフィアが再び語り始めます。
それはウイルクにまだ名前が無かった頃の話。
村の近くの森に弱ったオオカミを見つけた幼ウイルクは、毎日彼を観察していました。
何か病気か欠陥があるらしいその一匹狼は、群れに戻りたそうに遠吠えをしていました。
そして、やがて群れが彼を迎えに来たと思ったら、彼の命を奪って行きました。
オオカミには役割分担があるそうで、誰かが足を引っ張ればその群れは飢えたり他の群れに負けたりしてしまうらしく、故にそのオオカミには役目がないと判断され、処分されたようです。
自分たちが生き残るために余分な優しさを削ぎ落としているオオカミの合理的な生き方、無駄のない機能的な美しさに、ウイルクはオオカミの生き様を感じました。
オオカミに憧れを抱きオオカミの毛皮を被って走り回っていたウイルクを見て、ポーランド人の父親が名前を付けました。
それが〝ウイルク〟=ポーランド語で狼という意味だそうです。
ウイルクの合理的な性格はオオカミ由来でした。
記憶の先
ドクン…
ソフィアの話を聞き、何かを思い出しかけているアシリパの鼓動が強まります。
そしてアシリパは再びあの場面、父に母親のことを聞いている場面を思い出します。以前は夢で見たんでしたっけ。
アシリパが「お母さんの話して」と言い、ウイルクが「またか?お前にそっくりでピリカメノコ(美しい女性)だったよ」と返す場面です。
小樽で出会って、知らないことを教えてくれて…そして「今から言うことを決して忘れるな」と言います。
前は確かここで目が覚めて白石の汚い寝顔が目の前にあって不機嫌になったと思いますが、今回はその先まで鮮明に思い出します。
それはウイルクが「ウイルクという名の由来をお前の母に話したことがある」と言ったこと。
その由来を聞いた母は、ウイルクにアイヌの名前を付けてくれたそうです。それが
〝ホロケウオシコニ〟
オオカミに追いつく
ホロケウオシコニは〝オオカミに追いつく〟という意味だそう。ウイルクがオオカミになりたかったから。
ウイルクは付け加えます。「この名前を知っているのはお前の母親と私だけだ。誰にも言ってはいけないよ。」
父の言葉を思い出したアシリパは何かに気づきました。
ふと刺青の暗号や、そこに書かれた文字について杉元に聞いた時のことなどが頭を巡るアシリパの中で、どんどん繋がっていきます。
思わず「…あっ!!」と小さく声を出しました。
何かに気づいたアシリパに、尾形だけが気づいたようです。怖い顔。
いよいよ暗号解読に迫ってきました!!
ゴールデンカムイ183話のネタバレと感想
いや~核心に迫ってきている感じがしますね!!
でもあの暗号がただ文字を充てるだけではないとは思うので、まだ何か絡んできそうで楽しみです。
以前漢字を杉元に聞いてましたし元々アシリパだけでは暗号を読めないと考えると、ウイルクは自分と妻が出会ったように、アシリパも和人などと出会うことを予見していたというか〝新しいアイヌの女〟として未来に繋がっていくことを願ったのかなとも思いますね。
そしてオオカミになりたかったウイルクは、オオカミのように合理的に切り捨てられてしまったということでしょうか。本望?
愛していた合理的なウイルクがキロランケからすれば〝変わってしまった〟ということですかね。
ゴールデンカムイ184話の予想や考察
また尾形の目が怖いですね。
彼の目的がよくわからないので、暗号に気づいた様子のアシリパに対してどう動くのかまったく検討つきませんが、とりあえずアシリパさんを頼むぞ白石!!
なのに何故そんなに遠くにいるんだ白石!!でも何かを見ている感じ?
物語が暗号解読に触れ始め、第七師団や土方側の動きも気になりますね。
ひとまず杉元たちの到着が待たれます。
次回も楽しみですね。